コピーライターが気になる歌詞

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山崎まさよし 『全部、君だった』
時は静かにかけがえのないものを
遠ざかってゆくほどあざやかに映しだす







最近、あらためて歌詞を眺めてみて、あらためて感心した曲。
歌詞というより、その「歌詩」に。
精緻な言葉遣いや物語は、詩と言った方が漢字としてのおさまりがいい。

ふいに窓を閉じかけた手が止まる
しばらくは君のこと思い出さずにいたのに

互いのぬぐいきれない淋しさを
冷めた朝の光の中でうやむやにしてきた

心にもないうらはらな言葉で
わざと二人は傷つけあったね


こうした些細な表現の中にも、ひとつひとつ心を立ち止まらせる力があったりもする。
映像が頭に浮かんできたり、心情が胸を覆ったり。


今ならあの夜を越えられるかな
君の涙に答えられるかな
胸も苦しくて張り裂けるほど
全部、君だった

今なら上手に伝えられるかな
いつも微笑みに応えたかった
胸も切なくてかきむしるほど
すべて、君だった



この歌で描かれているのは『One More Time, One More Chance』と同じく、別れてしまった人を思う気持ち。もし今なら…と振り返ってしまう気持ち。
そしてその視点は『あじさい』と同じく、日常の些細な積み重ねの中に注がれている。こうしたことは、彼の実人生を反映しているものなのかもしれない。


『全部、君だった』ここには、

ある一人の人間がそばにいると、他の人間の存在などまったく問題でなくなることがある。それが恋というものである。

このツルゲーネフの言葉にあるような心情がある。

雨も雲も街も風も窓も光も
全部、君だった

冷めた朝も夜も微笑みも涙も
全部、君だった


色々な部分をたくさん並べて、全部の君と対比させる。
そうすることで、すべてがすべて君であったことを、よりくっきりと描き出す。
何が君だったのか?それは、僕の意識のすべてが。そして、僕の存在のすべてが。


やがて…時が流れ、冒頭の言葉。

時は静かにかけがえのないものを
遠ざかってゆくほどあざやかに映しだす


美しいメロディーは、遠くから聞こえるとき、もっとも美しい。
という言葉があるが、かけがえのないものも、遠ざかるほどに、その届かない距離感の分だけ、大切さがあざやかに浮かび上がってくる。
記憶や輪郭は薄れゆくのかもしれないけれど、かけがえのない思いや後悔はより鮮明になってゆく。
そんな気が、確かに、しました。
















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