コピーライターが気になる歌詞

我輩はコピーライターである。 出世作はまだない。
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銀杏BOYZ 『青春時代』
僕らはいずれいなくなる 一人一人ずつ星になる
わかっちゃいるさ 知らねえさ 
今はただ此処で笑ってたいだけさ
自転車に乗ってどこまで行こうか 
風に揺られてどこまで行こうか
あああ 僕はなにかやらかしてみたい
そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう





銀杏BOYZという存在を…知ったかぶるつもりもなく、まったく知らなかった。
その前進が「GOING STEADY」というバンドであることも、
ボーカルの峯田が杏さゆり好きだということも。

ちょっとしたきっかけで、彼らの楽曲と歌詞とをいくつか眺めてみて、非常に興味を覚えて、その中でも比較的まともな(…というか普遍性のある)この曲をまずは取り上げてみたいと思う。


桜咲く放課後に初恋の風がスカートを揺らす
カビ臭い体育倉庫にセックスのあとの汗がこびりつく
大地讃頌が流れるグラウンドに初戦で負けた野球部の涙が詰まっている



…この出だしの状況描写からして、抽象的で詩的な表現と妙に具体的で即物的な表現とが入り交じっていて(つまりは作詞をした峯田の主観において見たもの、感じたものが、そのまま言葉になっていて)、独特の世界観に引き込まれる。
なんというか、ああこの基準でモノを見るんだ、とそのモノサシに自然と自分の感度を合わせてしまう。

2番の歌詞で描かれるかつての同級生たち。

可愛くて憧れだったあの娘が今じゃあ歌舞伎町で風俗嬢だとよ
PKを決めて英雄だったあいつが今じゃあちっちゃな町の郵便屋さんさ
とても幸せなはずなのに なんだか なんでか涙が出るよ


…こうした言わば悲しく平凡に生きる人々を対比として持ち出して、そうは生きまい、或いはそうは生きられない自分を省みて、

あああ 僕はなにかやらかしてみたい
そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう


と叫ぶ。
この思いは、他人と同一視されることを拒む、特別な存在でありたいと願う、幼児的万能性を引きずったままの多くの若者の本音を代弁しているように思える。
可能性という資源だけは、たんまりと抱えている若者の心を。


冒頭で気になる歌詞として取り上げた一節は、その内容もさることながら、そのまま続けて2回繰り返される構成に、実は驚いている。
サビが繰り返されるパターンならまだしも、AメロもBメロもひっくるめて、歌詞も変えず(LIVE映像では崩しているが)、しかも立て続けに繰り返すという流れは、通常は考えにくい。
だからメロディーとかではなく、ここのメッセージ性すべてがサビなんだろう…と、そう思うことにしました。よくわからないから。はい。


そして僕は助走をつけた
惜しくもロングシュートは外れた
そしてその瞬間に いつの間にか僕は大人になったんだ


ロングシュートが外れたことによって、大人になったという理屈については、究極的には恐らく本人によってしか説明しきれないだろう。峯田自身の主観によってしか。
ただ、「その瞬間に、いつの間にか」というメチャクチャな時制の言い回しには、ぐっと惹かれるものがある。瞬間にさえ時間を感じてしまうほどの、濃密な経験をうまく表現している。
まさに、峯田の相対性理論なのかもしれない。

結局…

あああ 僕はなにかやらかしてみたい
そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう


…もしそうならば、僕もまだ青春時代であるのかもしれない。
そんな思いが、この歌に惹かれる一番の理由であるのかも知れない。






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