コピーライターが気になる歌詞

我輩はコピーライターである。 出世作はまだない。
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Dreams Come True 『何度でも』
10000回だめで かっこ悪くても
10001回目は 何か 変わるかもしれない







あけましておめでとうございます。
新年となり、新たな決意で、心を入れ替え、
またこのブログに向き合いたいと思っています。

書き初めの言葉も、

一日一善
日々精進
の勢いで
月々更新
にしようと考えているくらいです。

というわけで新年早々、早速選んだのはこちらの言葉。
この言葉をすべてのコピーライターに捧げたい。
すべての…が、言い過ぎなら、すべての若手コピーライターに。


早いもので、コピーライターになってから5年目になろうとしている。
早いもので、このブログを放置してからは1ヶ月になろうとも。

いつまでも「出世作はまだない」と恥ずかし気もなく晒しているつもりもないのだが、
いかんせんM-1やキングオブコントみたいに、制限時間内にネタだけで勝負できる世界でもないので、
発表できる舞台をいかに見つけるかが、まずは大事だったりするわけで。
それでも、なんとか…今している仕事と、春に世に出るであろう仕事が、
出世作になればいいなと、願ってはいます。

身の上話はさておき、コピーライターとは「切り口の可能性を探る仕事」と言えるだろうとつくづく思うようになった。
最終的には言葉遣いや言い回しにもこだわりを持ち、責任も持つわけだけど、
まず必要なのは、その対象を表すために、いかに多くの切り口を提示できるかが、大切。
本当は数ではなく、その切り口の鮮やかさが問われてもいるのだけど、
若手のうちは、まずはやっぱり数が大切だったりもする。

ここにある商品があったとして、そのキャッチコピーを考えるにあたり、
何が一番、消費者に響くのか。何を一番、クライアントは言いたいのか。
そこを基本に考えを広げていく。
機能?デザイン?価格?競合に対する優位性?競合の有無?商品名?…などなど
まずは基本的な情報の整理から入り、たとえば飲料でおいしさを言うとなっても、
それを誰が言うのか? それを誰に言うのか? どこで言うのか? どんな場面で言うのか?
と言った感じで、とりとめもなく考えを広げていくわけです。
広く世界観を伝える語り口もあれば、店頭で買う動機を刺激する囁き言葉もあって、
ときに映画のヒーローのように美声を震わせることもあれば、
家電量販店の店員のようなダミ声が必要なときもある。


……と、ここまで勢いよく書いて、この場面で、つまりこのブログで言いたかったことはこんなことじゃなかったと、はたと気づいてしまうわけで。
もっと早く気づけばよかったとも、それでも気づいただけよかったとも思いつつも、
それを伝えるために綴る言葉さえも余計なことだと気づき、
とにもかくにも新年の初反省をしてみます。
日頃、余計なことは書けない、むしろいかに削ぎ落とすかを問われている職業柄、
こういう場面になると、その反動で必要以上に助長的になってしまうことを、
今もこうしてだらだらと書きながら、今年2度目の反省をしているまさに最中です。

はい、言いたかったこと。
それは、コピーライターは100個ダメでも、101個目にいいコピーを書けばそれでいい、ということ。
それです。
それを、本当に1年目に、上司から言われたんですよ。まさに。

当時の私は、ずばっと正解のコピーだけを書きたい、つまり間違ったコピーを書きたくない、
と技術も経験もないくせに強く思っていて、だから打ち合わせでもまともに案を出せずにいました。
出したものを否定されたり、笑われたり、ダメ出しされるのが嫌だったんですね。
それも極度に。だからと言って、当然の如くいいものを書けるわけではないわけだから、
自分でもいいと思っていない数少ない案を、しかも小出しにするという最悪な状況に陥っていたわけです。
そこで、見るに見かねた上司が、とりあえず思いついたものを、手当たり次第掘ってみろ、とアドバイスをくれました。間違ってると薄々思っているものでも、とりあえず全部掘り出してみて、はずかしげもなく晒してみろと。
コピーライターなんて、失敗する職業なんだから。
でも逆に、どれだけ失敗しても、一本ヒットが出れば、それでOKな職業でもある。
打率が1割に満たなくても、厚顔無恥に打席に入り続け、バットを振り続け、
一本ヒットを打てれば、それでいいんだよ。…もちろんそこでホームランを打てばもっといいわけだけど。
だから…と、ここで先に書いた、101個目のコピーの話をしてくれました。

それは…自分の転機になりましたね。
はっきり言って、それでだいぶ楽にもなれたし、仕事のコツが見えてきた。
生来備わっていた、厚顔無恥の性格を地でいく感じになれて、
大喜利みたいに、ときに仕事を離れてボケまくることもできるようになって、
よくデザイナーを笑わせたり、困らたり、してしまいますけど。

だからこの『何度でも』の歌詞を見たとき、
フラッシュバックのようにあの上司の言葉がよみがえったわけで。
初心に帰れたような気もしました。


この先躓いて傷ついて傷つけて
終わりの無いやり場のない怒りさえ
もどかしく抱きながら
どうしてわからないんだ?伝わらないんだ?
喘ぎ嘆きながら自分と戦ってみるよ


…これとか、聞き分けのない上司とかクライアントを相手にして、
無駄になかなかOKが出ずに、終電を越えて深夜作業に取り組む
コピーライターの心理をそのまま歌詞にしたような言葉ですねぇ。

まさに、
何度でも何度でも何度でも 立ち上がり叫ぶよ
新しいコピー 声が涸れるまで

といった感じです。
実際は声ではなく、ボールペンが擦れるまで、ですけど。
まあ、心の中では声は涸れていますが。

そんな、歌い放題だからといってB'zを歌いすぎたために
喉が潰れて、ガラガラで高音なんてまったく出なくなってから、
ふいに今まで思いつかなかった、新しいコピーが出てくることがある。

これは本当に謎で、なんで最初に気づかなかったんだというようなものが、
考えて考えて考え抜いた挙げ句、もう出ないよ…と思った矢先にふっと出てくる。
これはなんなんでしょうねぇ。

10000回だめで 望みなくなっても
10001回目は 来る


まさにこの言葉が、勇気を与えるメッセージとしてではなく、
私には実感として響いていたりもします。

実際に、自分でもくだらないなぁ、つまんないなぁと思いながらも
とりあえず思いついた言葉をノートにだらだらと書き連ねていって、
それがひどいときには3、4ページくらいに突入しちゃうんですけど、
ふいにある言葉をきっかけに、いい感じのゾーンに入って、次々と芋づる式に佳作が出てくる。
それが一回出ると、それとは逆のアプローチにしてみると、また新しい芋づるを見つけたり、
はたまたそれまで書いて来たページにさかのぼって、新しい角度から見つめ直してみると、
死語だった言葉の中から、いくつかゾンビ的に生き返るものが現れたり…するわけです。
…ちょっと無駄に長くなってしまいましたが、そういう感じで仕事をしてます。

だから、直感的にこうだ!と思っても、簡単に結論づけてしまわなくはなりましたね。
もしかしたら、もっといいものがあるんじゃないかと疑り深くなった。
もっといいアプローチがあるんじゃないかと、貪欲になった。
それは…仕事以外でも、あらゆる物事を決定する基本的な考え方として
自分に備わったような、そんな気分ではいます。

明日がその10001回目かもしれない…

次が、その10001個目かもしれない…
と思いながら、日夜コピーライターは言葉を綴り続けるのです。

ただ、それとは真逆で、一番最初に直感的に口にした言葉が、一番よかったということも多々ありますけど。
実は、むしろ、多いくらいですけど。
でも、それでも、それが一番よかったことを証明するためにも、
あらゆる角度から、いろんな言葉を絞り出すわけです。
もしかしたら、もっといい10001個目があるかもしれない、
と自分に暗示をかけながら。

その失敗し続ける過程はかっこ悪くても、
最後にホームランを打ったときのかっこよさといったら、
ないわけですから。







Comment
≪この記事へのコメント≫
はじめまして
最近ここのブログを知りまして、それ以来楽しく拝見させて頂いております。

歌詞考は私自身も大好きで興味深いところなので、読んでいて大変参考になります。

ドリカム相当好きな私ですが、
8JOHさんのご職業や背景なども織り交ぜられながら紹介されると、なお一層理解や共感が深まりますね。

また様々な歌の解釈などお聞かせ下さい♪
2010/01/04(月) 14:53:47 | URL | 蜜 #nmxoCd6A[ 編集]
あけましておめでとうございます
はじめまして。たまに拝見しています。
この曲、今年の初カラオケでうたいました。 運命ですね(笑)今年も書きまくってください。
2010/01/04(月) 23:13:15 | URL | ゆな #-[ 編集]
今年もよろしくお願いします。
こちらのブログに出会って
あっという間の2年半~
又、性懲りも無く書き込んで
しまいました。

今年もkiku様の記事と皆様の
コメント楽しみにしております。

がんもはkikuさんがホームランを
かっ飛ばす日は近いと信じております。

何度でも何度でも書きつづけて
下さい。

売れっ子コピーライターになりすぎて
こちらのブログがまったく更新されなくなったら
それはそれで悲しいのですが・・・

今年は今年こそはと自分ももう少し
前向きにいきたいと思います。

2010/01/06(水) 18:39:23 | URL | がんも #Lk84Cx12[ 編集]
謹賀新年
みなさまそれぞれコメントありがとうございます。
はげましのご意見のその裏には、
「もっとちゃんと更新なさい」という叱咤激励も
含まれているんだろうと、
好意的に解釈しております。

ここ最近このブログを知ったという方から、
ずっとご覧いただいている方まで、
ご期待に添えるよう、精進していきたいと思います。

ただ…売れっ子になるのはまだまだ
先の話になりそうですが(というかそういう
話になるかどうか、よくよく考えたらかなり
望み薄ですが)、それでもこの不況の中
だいぶ忙しく働かせてもらうようにはなって
きましたので、
仕事と共に、このブログも前向きに取り組んで
いけたらと、思う次第でございます。

ひとまず今月中にはもう1つ2つ書けたらと。

思っては…います。
2010/01/10(日) 01:01:19 | URL | kiku #Di5TU3Tw[ 編集]
何度でも
一拍遅れのコメントですみません。
ドリカムが昨年の紅白、紅組のトリだったようですね。
(私は、いつもなんとなく紅白派なのですが
結局、昨年は最後まで観れずじまいでした…。)

以前、管理人様がいずれかの記事で触れていたように思いましたが、
歌詞にもコピーにも世代を超える表現=共通項が
必ずどこかにあるのでしょうね。
・・・
卑近な例でなくて申し訳ないのですが
替え歌メドレーの嘉門達夫さんが
「以前は、(替え歌の)パロディを作っても、みんなが頷けるものが作れたけれど、
曲の移り変わりが激しい上に、若い人が昔の曲を知らないから選曲が難しい。」
みたいなことを言っていて、
確かに、なんて頷けるものがありました。

音楽にはその時々の流れがあるのでしょうけれども
良い曲にはすべての人を追憶へ導く何かがあって、初めて聞いた人にもわかりやすい。
心に響くものが必ずある、共振させるなにかがある。
それはコピーでもきっと。
「何度でも」を聴きながら、新年早々感慨に浸ってました。

今年もよろしくお願いします。
2010/01/10(日) 12:57:42 | URL | 行人 #23d/zxvE[ 編集]
何度でも何度でも
>行人さま

新年早々のコメントありがとうございます。
ドリカムの紅白トリは…少しだけチラ見したような
感じだったのですが、
その少し前に、絢香をはじめとするいろいろなアーティストがドリカムの歌を歌うコンサートの模様を
BSか何かで見まして、この歌の存在を知ったわけです。
ドリカムというアーティストのすこさも。あらためて。
なかなかなもの…なんですね。やっぱり。

共通項については、これは本当によく広告業界でも音楽業界でも言われていることだと思うのですが、
メディアやチャネルが多様化しすぎたことによって、
その世代を括るようなこれ!というものが
生まれにくくなっている状況があると思います。

昔ほど朝の連ドラや月9、紅白などは視聴率をとれないですし、ミリオンセラーも生まれない。
EXILEは人気で2年連続レコード大賞ですが、
その曲が共通項になっているような感じもないですしね。(実際、私はまったく知りませんし。。)

それでも分野によっては、民主党が選挙で圧勝したり、突如100万部近く売り上げる新書が生まれたりするギャップがあるのは、情報量と関心の薄さが反比例しているような気がしたりもしています…これは私見ですが。

広告では、伝えるべきことを書いただけで伝わる時代ではないから、まずは目を引いたり、対流させたりする工夫をしなければならなくて、でもそればかりに力を入れすぎて結局伝えるべきことが伝えられなかった…みたいなジレンマは常にありますね。

…と長くなってしまいましたが、私も時代の共通項になりうるような仕事をしてみたいものだと思っています。

今年も、こちらこそ、よろしくお願いします。
2010/01/11(月) 09:48:43 | URL | kiku #Di5TU3Tw[ 編集]
共時性・・・
たびたび、コメントさせて頂くと、
kikuさんの返礼コメにシンクロニシティ(共時性)を見出したくてしたためているような気がします。
もっとも、私自身もこの言葉を広義の意味で理解しているだけで、学術的な見地から理解しているわけでは全くない…
以前、学生の時分、レポートを提出した際に
指導教員からヒントとして教わった言葉なのです。

たとえば
メディア(特にTVに)疎い私にも
流行ったドラマ名だけはわかる。

「モノや風景に記憶が宿るというのも、
今では取り立てて珍しい話ではない。つまり記憶を呼び起こすトリガーなのだ」

というのを卒論を書く際の資料か何かで読んだことがありますが

ベンフォールズ~と聞いて、なんとなく
90年代の連ドラのタイトルを思い出し
それとなく共通理解していたりするのでは?と思ったり。
つまりはそういうことなのですが…
 
 まとまらない感がありますが…
 また長くなりそうなので

2010/01/20(水) 21:09:22 | URL | 行人 #23d/zxvE[ 編集]
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