コピーライターが気になる歌詞

我輩はコピーライターである。 出世作はまだない。
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アフラックCM 『氷上のプロポーズ』
 "Obviously she says yes."
「もちろん、彼女の答えはイエスです」






数多のCMが流れる中で、アフラックのCMが特別に印象的なのは、そこに嘘偽りのない、生きた表情があるからだろう。
よくも悪くも効果を狙って演出された表情ばかりを目にしている私たちにとって、突然のプロポーズを受けたあとの驚きや戸惑い、そして少しの間を置いて喜びに変わっていく生の表情は、なにか本物を見つけたような体験と共に、素直な感動を呼び起こさせる。
それはまるで、泥沼に咲く一輪の蓮の花のような、美しさを放っている。

少し前の空白の一日をテーマにした黄桜のCMもそうだが、ドキュメンタリーが描く圧倒的なリアリティに、人は心を動かされ、その周りを賑やかしていた他のCMたちはにわかに色を失う。
それは一つには、ドキュメンタリーという手法を、その手法が一般的ではないCMという別ジャンルに代入したことによって生じる効果であったりもする。
もちろんそのCM自体のクオリティに絶対的な価値があるのが前提だが、さらにその他の演出を前提とした手法で作られるCM群とのギャップによって相対的な価値が付与される。
このようなCMは、番組の間をつなぐものとしてではなく、それ自体が一つのコンテンツとして成立しうるものにまで昇華している。

ただ、こんな主張もある。表現者はドキュメンタリーに逃げてはならないと。
ただそれは単に作り手側の意識の問題にすぎないのであって、表現論を語る階層がそもそもずれており、それを見る側の立場からすれば言い訳にすぎない。
筋書きがないような、先が読めないようなドラマをつくろうとしても、作り手側はそれを知ってしまっている。ドキュメンタリーでは、作り手側もどうなるか知り得ないという緊張感がいつもそこにあるのだ。




閑話休題

…それはさておき、冒頭の気になる言葉。
これは、会場アナウンスで発せられた言葉である。
演技終了後、会場を去るはずのペアが普通とは違う行動をとりはじめる。
男性がひざまずき、女性に何かを語り始める。驚きの表情を浮かべる女性…
途中から観客もただならぬ空気を察し、それがなにであるのかを徐々に悟り始める。
そして熱い抱擁とキス。
そこに、

"Obviously she says yes!"
「もちろん、彼女の答えはイエスです!」


のアナウンスが入り、それまで状況がわからなかった人も含め、会場の全員が祝福の拍手をするにいたるのである。

ここに筋書きはない。演出もない。イエスと答える保証もない。
だからこそ、ドラマでは決して演出することの出来ない緊張感が生まれ、それが笑顔によって緩和された瞬間に、圧倒的な感動と美しさが生まれるのだ。

…ただあえて言うならば、これはプロポーズをしたジョン・ボールドウィンの考えた筋書きであり、彼なりの演出だったわけではあるけれども。
もしかしたらこの公衆の面前で、ノーと言われるかもしれないリスクを冒していることを観衆も感じているからこそ、その勇気を讃え、惜しみない拍手ができるのであり、その場に立ち会えたことの感動に身を振るわせるのである。

そしてこのアナウンス!
アドリブだとしても、いやアドリブだからこそ、タイミングも内容も完璧である。
まさに「アメリカ的な」粋なはからいではあるけれども、日本だったら絶対にありえない出来事であることも含め、本当の職務を離れたところでいい仕事をしたな、とプロフェッショナルの技を見せつけられた気がしました。


このドキュメンタリーの感動を、見事に生かしたこのCMが伝えるのは、生きること。
がんと闘いながらも絶望することなく、前向きに生きていくことの大切さと美しさ。
このCMにおいて、アフラックという企業が伝える情報は「がん保険No.1」という事実でしかない。が、CM全体が伝える、こうした人の支えになりたいというメッセージがその奥に感じられる。
そしてさらに言えば、それを越えて、こうしたCMを世の中に発信するという企業姿勢が、信頼や共感を生み、ブランディングに寄与しているのである。

詳しくは→「アフラック 生きる.com」を見てほしい。
ここにある「ことばの贈り物」に、私は三度も四度も涙しました。
何度も何度も読み返したりしました。
こうした広告を、生み出していきたいと深く思いました。






Comment
≪この記事へのコメント≫
sirube
突然のコメント失礼致します。
勝手ながら私どものサイトからこの記事へリンクをさせていただきました。
http://sirube-note.com/copywriter/

もしよろしければ、こちらのページより相互リンク登録もしていただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/copywriter/link/register/
現在のページからのリンクは一定期間の予定ですが、よろしくお願い致します。
(自動書込のため、不適切なコメントとなっていましたら申し訳ございません)
token:g0ylI9mP
2008/09/20(土) 14:25:46 | URL | sirube #mtsVTvCA[ 編集]
登録
相互リンク登録しておきました(つもりです)。
やり方があっているのか自信ないですが...
ご確認お願いします。
2008/09/20(土) 21:04:41 | URL | kiku #Di5TU3Tw[ 編集]
とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
2010/09/19(日) 19:38:54 | URL | あろえ #-[ 編集]
ありがとうございます
あろえさん

ありがとうございました。
映像がもう流れていなかったので
この機会に他のものに差し替えておきました。
また遊びにきてください。

ぜひ。
2010/09/25(土) 01:26:26 | URL | kiku #Di5TU3Tw[ 編集]
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